AWSサービスがなかなか理解できないなぁ..
そのお悩みを解決します!
AWSを学び始めた皆さん。
学習は順調に進んでいますか?
AWSはたくさんサービスがあって、1つ1つのサービスを学ぶのに苦労しますよね。
そこで本記事では「Route53のルーティングポリシー」について初心者にわかりやすいよう恋愛に絡めた図解付きで解説していきます。
本記事を読んだ後に「Route53のルーティングポリシーをなんとなく理解できた!」と思ってもらえれば嬉しいです。それではどうぞ!
Route53とは
Route53とはAWSが提供するフルマネージドなDNSサービスです。
今回はルーティングポリシーに絞ってお話しするため、DNSの説明やRoute53の具体的な機能については省略します。
具体的な機能については、公式のBlackBeltを確認してみて下さい。(ちなみにルーティングポリシーに関する説明は41分30秒あたりからあります!)
Route53ルーティングポリシー
Route53ではレコードを作成するときに、クエリに応答する方法を決めます。
その時の応答方法をルーティングポリシーと呼びます。
ルーティングポリシーにはこのような種類があります。
No. | ルーティングポリシー名 | 特徴 |
1 | シンプル | 1つのレコードに対し、1つのIPアドレスを返す |
2 | フェイルオーバー | メインに障害が発生していた場合にサブにアクセスする |
3 | 位置情報 | ユーザーの位置情報に基づいてルーティング |
4 | 地理的近接性 | ユーザーとリソースの位置情報に基づいてルーティング |
5 | レイテンシー | ユーザーから最もレイテンシーが少ないリージョンにルーティング |
6 | 複数値回答 | 複数のレコードの中からヘルスチェックでOKとなったレコードからランダムにルーティング |
7 | 加重 | 予め指定した重量(比率)で複数のAWSリソースにトラフィックをルーティング |
8 | IPベース | アクセス元のIP アドレス範囲に応じてトラフィックをルーティング |
1つ1つ解説していきますね。
1. シンプルルーティングポリシー
シンプルルーティングポリシーは1つのレコードに対し、1つのIPアドレスを返すようにルーティングするポリシーです。これは一般的なDNSの設定にあたります。
複数のIPアドレスを1つのレコードに設定することもでき、その場合はランダムなIPアドレスにルーティングされるようになります。
例えると、このようなイメージになります。
私の気になる人をドメイン(example.com)、AさんをIPアドレス(192.168.0.1)に置き換えてイメージしてみましょう。
相思相愛のパターンですね。
2. フェイルオーバールーティングポリシー
フェイルオーバールーティングポリシーは、メインに障害が発生していた場合にサブにアクセスするようにルーティングするポリシーです。
障害の検知はRoute53に備わっているヘルスチェックの機能を使います。
例えると、このようなイメージになります。
気になっているAさんに本命の彼女がいたときに備えて、Bさんにもアプローチしておきます。
Aさんに彼女がいた時は、Bさんに切り替えます。
3. 位置情報ルーティングポリシー
位置情報ルーティングポリシーは、ユーザーの位置情報に基づいてルーティングするポリシーです。このときユーザーの位置情報はIPアドレスで特定します。
大陸別、国別、米国の州別にルーティングを設定することができ、各国に応じたサイトにルーティングする設定が可能になります。
例えると、このようなイメージになります。
同じ渋谷にいるAさんと飲みに行くことになりますね。
4. 地理的近接性ルーティングポリシー
地理的近接性ルーティングポリシーは、ユーザーとリソースの位置情報に基づいてルーティングするポリシーです。
位置情報ルーティングポリシーとの違いがわからないよ..
違い難しいですよね。
例えると、このようなイメージになります。
どちらの男性も渋谷にいますが、自宅も渋谷にあるAさんと宅飲みすることになりますね。
位置情報ルーティングポリシーでは、ユーザーの地域のみに基づいてルーティングをしていましたが、地理的近接性ルーティングポリシーはユーザーとリソースの位置関係に基づいてルーティングをします。
またこのポリシーはRoute 53のトラフィックフローという機能を使用する必要があるため、他のポリシーとは少し系統が違っているのも特徴的ですね。
実際にAWSマネジメントコンソールでルーティングポリシーを設定する場面でも、地理的近接性ポリシーは載っていません。
5. レイテンシールーティングポリシー
レイテンシールーティングポリシーは、ユーザーから最もレイテンシーが少ないリージョンにアクセスするようルーティングするポリシーです。
レイテンシーが基準になっているため毎回同じリソースにアクセスされることはなく、変動する可能性があります。
また、AWSのリソースに対するレイテンシーのみが計測の対象となるため、オンプレミス等のAWS以外のリソースに対して設定した場合は充分に機能しない可能性があることに注意しましょう。
例えると、このようなイメージになります。
すぐに連絡がきたAさんと食事に行くことになりますね。
6. 複数値回答ルーティングポリシー
複数値回答ルーティングポリシーは、複数のレコードの中からヘルスチェックでOKとなったレコードのみランダムにアクセスするようにルーティングするポリシーです。
あれ?シンプルルーティングポリシーでも1つのレコードに対して複数のIPアドレスを紐づけたりできなかった?
正解です!シンプルルーティングポリシーでも設定は可能です。
ただ、シンプルルーティングポリシーではヘルスチェックを行うことができません。
なぜならヘルスチェックはレコード単位に行うからです。
そのため、ヘルスチェック機能を利用したい場合は、複数値回答ルーティングポリシーを利用するようにしましょう。
公式ドキュメントにも違いが記載されていたので、より詳細に知りたい方は確認してみて下さい。
例えると、このようなイメージになります。
Aさんには本命の彼女がいたので、ヘルスチェックNGとなります。
返信があったBさんもしくはCさんのどちらかと食事に行くことになります。
7. 加重ルーティングポリシー
加重ルーティングポリシーは、予め指定した重量(比率)で複数のAWSリソースにトラフィックをルーティングするポリシーです。
このように重み付けをすることで、新機能を搭載した一部のインスタンスに対して段階的にリリースしていくようなことができます。
例えると、このようなイメージになります。
どちらの男性も気になっているパターンですね。
Aさんの方が脈アリのようなので、Aさんとマッチングする可能性の方が高くなります。
8. IPベースルーティングポリシー
IPベースルーティングポリシーは、アクセス元のIP アドレス範囲に応じてトラフィックをルーティングするポリシーです。
こちら2022/6/1に新しく追加されたポリシーになります!
上記の図のように、アクセス元に応じてトラフィックを変更することができます。
※IPアドレス範囲指定のため、直接のIPアドレス指定(/32)はできません。
一般ユーザー:ALBを経由して接続
社内開発メンバ:ALBを経由せず直接EC2に接続
こちらのポリシーによって、よりきめ細やかな設定ができるようになりますね。
例えると、このようなイメージになります。
どのアプリの男性から連絡がきたかでちょっと雰囲気を変えて対応します。
婚活アプリの方は結婚を意識したアピールをするのでしょうか。
まとめ
今回はAWSサービスの中からRoute53のルーティングポリシーに絞ってお話ししました。
なんとなく理解できたのではないでしょうか?
ルーティングポリシーは実際にハンズオンで触りながら覚えることで、さらに理解が深まると思います!
AWS初学者の方は会員制コミュニティ付きの動画で学べるAWS学習オンラインスクールCloudTechがおすすめ!
CloudTechについてはこちらの記事でご紹介しているので、参考にしてみて下さい。
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それでは、これからも一緒に学んで、自己価値を高めていきましょう〜!
最後まで、お読み頂きありがとうございました!
参考文献
本記事を作成するにあたり、こちらのブログ記事や本を参考にさせて頂きました!
①AWSエンジニア入門講座――学習ロードマップで体系的に学ぶ
②AWSの知識地図 〜現場必修の基礎から構築・セキュリティまで
今回解説していないRoute53の具体的な機能についても詳しく解説されており、どれもAWS初学者にとって、とても分かりやすい内容になっています。
よかったら参考にしてみて下さい!
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