
AWSサービスがなかなか理解できないなぁ..

そのお悩みを解決します!
AWSを学び始めた皆さん。
学習は順調に進んでいますか?
AWSはたくさんサービスがあって、1つ1つのサービスを学ぶのに苦労しますよね。
そこで本記事では「AWS Storage Gateway」について、初心者にわかりやすいよう図解付きで解説していきます。
結論として、AWS Storage Gatewayはこのようなサービスです。

今はまだ分からなくても全然大丈夫です!
本記事を読んだ後に「AWS Storage Gatewayってこういうサービスなんだなぁ」って思ってもらえれば嬉しいです。
またなんとなくAWS Storage Gatewayを分かっているつもりの方も「理解できていなかった!」と思うポイントが隠されているかもしれません!
AWSを学んでいる方の参考になれば嬉しいです!それではどうぞ!
- AWS Storage Gatewayって何?という疑問を持っている方
- なんとなくAWS Storage Gatewayを分かったつもりでいるけど、改めて復習したい方
- AWS Storage Gatewayの仕組み(アーキテクチャ)
- AWS Storage Gatewayの構築方法
AWS Storage Gatewayって何?
AWS Storage Gatewayはオンプレミス環境のデータとクラウドストレージのデータを橋渡しするサービスです。
公式のドキュメントはこちらです。
AWS Storage Gatewayとは?
このサービスを使用すると、アプリケーションをオンプレミス環境に残したまま、データ保管領域だけをクラウドで構成することが実現できます。
つまり既存システムの改修が不要で、データ保管領域だけをクラウドに拡張や移行をすることが出来ます!

AWS Storage Gatewayを使わないで、直接クラウドストレージにデータを書き込めないの?
直接データを書き込める場合もあります。
しかし、直接オンプレミス環境のデータをクラウドストレージに書き込みしようと思った場合、このような問題が生じてしまいます。
- データ転送の通信プロトコルが異なる場合、変換する必要がある。
– 通常オンプレミス環境では業界標準のNFS/SMBプロトコル※1を使用するのに対し、クラウドストレージ(Amazon S3)ではHTTPSを使用します。
※1・・NFSプロトコル:LinuxなどUNIX系のOSで利用されるファイル共有システム、SMB:主にWindows系のOSで利用されるファイル共有システム - インターネット経由でのデータ書き込みになるため、書き込み完了までに時間がかかる。
そのため、オンプレミス環境のデータをクラウドストレージに転送する場合は AWS Storage Gatewayが必要となります。

Gatewayって名前の通り中継する役割があるんだね!
AWS Storage Gatewayのメリット
AWS Storage Gatewayを使用すると、このようなメリットがあります。
- データ格納容量が無制限
- パフォーマンス効率アップ
- コスト削減
- 高耐久性
- 高セキュリティ
①データ格納容量が無制限
AWS Storage Gatewayはクラウドストレージ側のデータ格納容量を気にせずに使用することができます。これはデータ格納先に、Amazon S3やAmazon FSx for Windows File Serverを使用しているためです。

Amazon FSx for Windows File Serverって何?
あまり聞き慣れないサービスですよね。
簡単に言うとAWSでWindowsServerのストレージを利用できるフルマネージドなサービスです。
こちらのブログ記事の内容が分かりやすかったので、良ければ参考にしてみてください。
ファイルシステムをフルマネージドで提供するAmazon FSx
Amazon S3やAmazon FSx for Windows File Serveは事実上データ格納容量が無制限となっています。そのため、オンプレミス環境では気にする必要があったデータの容量を気にする必要がなくなります。
②パフォーマンス効率アップ
AWS Storage Gatewayによりオンプレミス側のアプリケーションのパフォーマンス効率をアップさせることができます。これはオンプレミス環境側のユーザから見た時、AWS Storage Gateway上にデータが書き込まれた時点で書き込みを完了させることができるためです。

クラウドストレージに直接データを書き込むよりも低レイテンシーでのデータ書き込みを実現できるんだね!
また、書き込まれたデータはAWSが提供する機械学習やビックデータ解析といった他のサービスにも利用することが出来ます。そして、利用されたデータをオンプレミス環境側のアプリケーションで使用することも可能です。
そのため、アプリケーション全体としてのパフォーマンス効率をアップすることができます。
③コスト削減
AWS Storage Gatewayによりコストを削減することができます。
なぜなら、クラウドストレージにデータを格納することでオンプレミス環境のデータ管理に必要となる機器の保守費用等が削減できるためです。
また①でお話ししたようにデータ容量を気にする必要もなくなるため、その工数も削減できますよね。
そのため、アプリケーション全体のコスト削減に繋がります。
④高耐久性
AWS Storage Gatewayにより高耐久性であるクラウドストレージにデータを格納することができます。例えば、データ保管先に使用されるAmazon S3やAmazon FSx for Windows File Serverにはこのような特徴があります。
- S3標準の場合、9.999999999% (11 ナイン) ※2の耐久性を実現
※2・・Amazon S3に1万個のオブジェクトを保存したとして、そのうちの1つが障害によって失われるのに平均で1000万年ほどかかるレベル - 3拠点以上のデータセンターへデータが自動で複製
- マルチAZによる高い耐久性を実現
- WindowsのVolume Shadow Copy Service を利用して、ファイルをS3に保存
これらはオンプレミス環境のストレージでは実現できないですよね。
そのため、耐久性の高いストレージに安心してデータを格納することができます。
⑤高セキュリティ
AWS Storage Gatewayは高いセキュリティを確保することができます
なぜなら、オンプレミス環境からクラウドストレージへのデータ転送中及び書き込まれたデータは全て暗号化することができるためです。
Amazon S3やAmazon FSx for Windows File Serverには、標準で暗号化機能が備わっていますよね。そのため、高いセキュリティを確保することができます。
AWS Storage Gatewayの種類

いよいよAWS Storage Gatewayの種類を見ていきましょう!
大きく分けてこれら3つの種類があります。
- ファイルゲートウェイ
- ボリュームゲートウェイ
- テープゲートウェイ
さらに、1と2は2種類に分けることが出来ます。
1-1. S3ファイルゲートウェイ
1-2. FSxファイルゲートウェイ
2-1. キャッシュ型モード
2-2. 保管型モード

たくさん出てきて、混乱してきた…
大丈夫!
1つ1つの特徴やユースケースを解説しますね。
1-1. Amazon S3 ファイルゲートウェイ

Amazon S3 ファイルゲートウェイはオンプレミス環境のデータをS3で保存できるインターフェイスを提供するサービスです。
アプリケーション→ファイルゲートウェイへはNFSもしくはSMBプロトコル、ファイルゲートウェイ→S3へはHTTPS通信を使用します。
- オンプレミス側のキャッシュストレージにより、低レイテンシーでデータ取得可能
– リクエストがあった場合には、まずはキャッシュを参照
– キャッシュにデータが無い場合にS3を参照 - 更新データを非同期でS3に転送
- S3のライフサイクルによる階層化ストレージでコスト削減
- AWSへのバックアップ・データレイク
- 他のAWSサービス(機械学習・ビッグデータ分析等)への活用

S3の恩恵をフルに受けられるんだね!
1-2. Amazon FSx ファイルゲートウェイ

Amazon FSx ファイルゲートウェイはオンプレミス環境のデータをAmazon FSx for Windows File Serverへ保存できるインターフェースを提供するサービスです。
全ての通信にSMBプロトコルを使用します。
- オンプレミス側のキャッシュストレージにより、低レイテンシーでデータ取得可能
– Amazon S3 ファイルゲートウェイと同様リクエストがあった場合には、まずはキャッシュを参照
– キャッシュにデータが無い場合にAmazon FSx for Windowsを参照 - 更新データを同期でFSx for Windowsファイルサーバに転送
– オンプレミス⇆AWSの接続により、同期にはタイムラグが生じる - Amazon FSx for Windows File Serverによるフルマネージドファイルストレージを使用
– オンプレミスでのファイルサーバ管理に比べ、接続遅延や帯域幅トラブルが減少
- オンプレミス側のWindowsファイル共有システムとの統合
- オンプレミスからクラウドへのファイルサーバ移行

オンプレ側の管理者もにっこりなサービスだね!
2-1. キャッシュ型ボリュームゲートウェイ

キャッシュ型ボリュームゲートウェイはS3をプライマリーとするiSCSIプロトコル※3のブロックストレージを提供するサービスです。
※3・・iSCSIプロトコルはコンピュータとストレージの通信に用いられるSCSIコマンドを、IPネットワーク経由で送受信するプロトコル
アプリケーション→ファイルゲートウェイ間はiSCSIプロトコル、ファイルゲートウェイ→S3間はHTTPS通信を使用します。
- S3がデータ保存先のプライマリー
- 頻繁にアクセスされるデータのみがキャッシュとしてローカルに保持
– 低レイテンシーでアクセス可能
– 保存型に比べ、AWS Storage Gatewayのストレージ容量を最小限に抑える - データを非同期でAWS にバックアップが可能
- オンプレミス側のボリュームストレージとの統合

オンプレとクラウド(S3)、両方の良いとこどりをするんだね!
2-2. 保管型ボリュームゲートウェイ

保管型ボリュームゲートウェイはオンプレミスをプライマリーとするiSCSIプロトコルのブロックストレージを提供するサービスです。
キャッシュ型と同様にアプリケーション→ファイルゲートウェイ間はiSCSIプロトコル、ファイルゲートウェイ→S3間はHTTPS通信を使用します。
- オンプレミスがデータ保存先のプライマリー
– AWS上に書き込まれたデータへのアクセスは発生しない - データセット全体が低レイテンシーでアクセス可能
– 保存型に比べ、AWS Storage Gatewayのストレージ容量が多いため、コストが高めになる - データを非同期でAWS にバックアップが可能
- EBS Snapshotsからオンプレミス側のストレージやEBSへの復元が可能
– 障害復旧のための代替容量が必要な場合は、Amazon EC2 にバックアップを復元可能
- AWSへのバックアップと災害対策
- アプリケーションのデータ移行

”保管”しているからS3にはデータアクセスしないって覚えよう!
3. テープゲートウェイ

テープゲートウェイはオンプレミス側の物理テープから仮想テープを構築し、クラウドでのライブラリ管理を提供するサービスです。
ボリュームゲートウェイと同様にアプリケーション→テープゲートウェイ間はiSCSIプロトコル、ファイルゲートウェイ→S3間はHTTPS通信を使用します。
- 物理テープライブラリ装置の代替として利用
– オンプレミス側でのメンテンス不要、高価格なライブラリ装置の購入も不要 - S3のライフサイクルによる階層化ストレージでコスト削減
- S3のライフサイクルによる階層化ストレージでコスト削減
- 物理テープメディアの保管管理
- AWSへのバックアップ・アーカイブ

物理テープって障害多いらしいよ..(見たことない)
以上になります!
まとめ
今回はAWSサービスの中からAWS Storage Gatewayについてご紹介しました。

AWS Storage GatewayはAWSの主要なサービスではないですが、ハイブリッドクラウドを実現するために不可欠なサービスです。各々のゲートウェイの特徴をしっかり押さえておきましょう!

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それでは、これからも一緒に学んで、自己価値を高めていきましょう〜!
最後まで、お読み頂きありがとうございました!
参考文献
こちらの記事を作成するにあたり、たくさんのブログ記事を参考にさせて頂きました。
どれもAWS初学者にとって、とても分かりやすい内容になっていますよ!
良ければ参考にしてみて下さい!
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