GCP Professional Cloud Architectのケーススタディが読み解けない(泣)
そのお悩み解決します!
GCP Professional Cloud Architect認定資格を勉強している皆さん!
試験問題に出てくるケーススタディはもう読みましたか?
- 分からない用語だらけで、何が書いてあるか全然わからない。
- どのようなサービスが使用できるかよく分からない。
私の第一声です。同じように思った方も多いはず。
そこで、今回はケーススタディの1つである【Helicopter Racing League】を構成図付きで解説します。
GCP Professional Cloud Architect認定資格を受験する方の参考になれば嬉しいです。
それではどうぞ!
ケーススタディとは
GCP Professional Cloud Architect認定試験ではケーススタディと呼ばれる、架空の会社をテーマにしたクラウド導入事例が引用されます。
このケーススタディのビジネス要件・技術要件に合わせて適切なサービスを選択する問題が出題されます。
試験中にケーススタディの内容を表示することができるため覚える必要はありませんが、事前に内容を理解しておくと、スムーズに適切なサービスを選択することができるようになりますよ!
それでは、さっそくケーススタディをみていきましょう。
ケーススタディ:Helicopter Racing League
会社概要
Helicopter Racing League(HRL)は、ヘリコプター レースを主催しているグローバルなスポーツ リーグです。HRL は毎年世界選手権を開催しています。複数の地域リーグの大会があり、 各チームは世界選手権への出場権を競います。HRL では、レースを世界中にストリーミングする有料サービスを提供しています。 その際、各レースにおけるライブでのテレメトリーと予測を行っています。
ケーススタディ: Helicopter Racing League
会社概要から、HRLはテレメトリー(遠隔情報収集)と予測を行いながら、世界中にレース中継を配信していることがわかります。そのためには、これらのサービスが必要そうです。
・情報収集→情報処理
・予測→機械学習
ソリューションのコンセプト
HRL では、既存サービスを新しいプラットフォームに移行して AI および ML のマネージド サービスの使用を拡大し、レースの予測に役立てたいと考えています。また、 特に新興国でこのスポーツに関心を持つ新しいファンが増えており、 リアルタイムと録画の両方のコンテンツについて、ユーザーの居住地により近い場所でサービスを提供したいと考えています。
ケーススタディ: Helicopter Racing League
コンセプトから、既存サービスを新しいプラットフォームに移行することで、これらを実現しようとしています。
・レース分析予測のための AI および ML のマネージド サービスの使用拡大
・ユーザに近い地域でのコンテンツ配信
既存の技術的環境
HRL はクラウド ファーストを掲げる上場企業で、中心となるミッション クリティカルなアプリケーションは、 同社が現在利用しているパブリック クラウド プロバイダで実行されています。 動画の録画と編集はレース場で行われ、必要に応じてクラウドでコンテンツのエンコードやコー ド変換が行われます。また、トラックに積まれたモバイル データセンターにより、エンタープライズ クラスの接続とローカル コンピューティングが提供されています。レースの予測サービスは、 既存のパブリック クラウド プロバイダのみでホストされています。現在の技術的環境は次のとおりです。
・既存のコンテンツは、既存のパブリック クラウド プロバイダ上のオブジェクト ストレージ サービスに保存されている。
ケーススタディ: Helicopter Racing League
・動画のエンコードとコード変換は、各ジョブ用に作成された VM で実行されている。
・レースの予測は、既存のパブリック クラウド プロバイダ内の VM で実行される TensorFlow を使用して処理されている。
急に文章が長くなって、構成がわからない。。
大丈夫!1つずつ整理すると、このような構成になるよ!
この既存のパブリッククラウドでの構成をGCPで実現すると、このようなサービスに置き換えることができます。
特に機械学習では既存のパブリッククラウドで使用していたTensorFlowに加えて、機械学習モデルの構築に役立つCloud MLとCloud Video Intelligent APIを活用することができます。
ビジネス要件
HRL の株主は、予測機能の強化と、新興市場の視聴者のレイテンシ低減を求めています。 株主からの要件は次のとおりです。
・パートナー向けに予測モデルを公開できるようサポートする。
ケーススタディ: Helicopter Racing League
・以下に関して、レース中およびレース前の予測機能を向上させる。
・レースの結果
・機械の故障
・聴衆の感情
・テレメトリーを増やし、追加の分析情報を作成する。
・新しい予測でファンのエンゲージメントを測定する。
・放送のグローバルな可用性と品質を向上させる。
・同時視聴が可能なユーザー数を増やす。
・運用の複雑さを最小化する。
・確実に規制を遵守する。
・マーチャンダイジングの収益源を作る。
ここからが今回構成を変更していく要件になります。
要件毎に使用できるサービスを紹介していきますね。
・CloudEndpointsでAPIの管理をすることができます。これによって、規制を遵守しながら、パートナー向けに予測モデルを公開することができます。
・予測にはストレージへのデータ収集及び処理が必要になります。
・レース結果:配信メディアには、オブジェクストレージであるCloud Storage
・機械の故障:IoTデータには、NoSQLのビッグデータサービスであるBigtable
・聴衆の感情:ストリーミングデータには、NoSQLのドキュメントデータベースであるDataStore(今は次世代バージョンのFireStoreが推奨されています)
・Cloud Video Intelligent APIの機械学習でファンのエンゲージメントを測定することができますo
どのストレージサービスが適しているか覚えられないなぁ。
この表を覚えれば大丈夫!
ストレージとデータベースサービスの選定は必ずといっていいほど出題されます。
使用例も合わせて覚えておきましょう!
要件の説明に戻ります。
・BigQueryにデータを蓄積することで、追加の分析情報を作成することができます。
・Global LBでユーザーの最も近い地域でコンテンツを配信することができます。またサーバレスやAutoScaleができるGCPサービスを使用することで可用性を向上させることができます。
・Cloud IAM・Cloud Loggingを使用することで運用の複雑さを最小化することができます。
技術的要件
・予測のスループットと精度を維持、強化する。
ケーススタディ: Helicopter Racing League
・視聴者のレイテンシを低減する。
・コード変換のパフォーマンスを向上させる。
・視聴者の消費パターンとエンゲージメントをリアルタイムで分析する。
・データマートを作成して大規模なレースデータを処理できるようにする。
・Cloud MLで開発とテストを繰り返し行うことで、予測のスループットと制度を維持、強化することができます。
・Cloud CDNでユーザの近い地域でコンテンツを配信し、レイテンシーを低減することができます。また動画データが蓄積されているCloud Storageをマルチリージョンにすることでもレイテンシーを低減することができます。
・Transcoder APIで動画データのコード変換のパフォーマンスを向上させることができます。このサービスの凄さについて、Coogleのカスタマーエンジニアの方が書かれた記事をみつけたので、よかったら読んでみて下さい。
・BigQueryでリアルタイム分析やデータマートの作成ができます。実際にデータを可視化するためには、DatalabやGoogleが提供している無料のBIツールであるデータポータルが活用できます。
経営陣のメッセージ
当社の CEO である S. Hawke は、 世界中のファンの皆様に気持ちが高ぶるようなレースを届けたいと考えています。 ファンの皆様のお声を反映して、追い抜きなどのレース中のイベントの予測を取り入れ、 動画ストリーミングを強化したいと考えています。 現在のプラットフォームでもレース結果を予測することはできますが、 レース中のリアルタイム予測に対応できる施設と、シーズン全体の結果を処理するキャパシティが不足しています。
ケーススタディ: Helicopter Racing League
最後の経営陣のメッセージでは、現在の課題とGCPで実現したいことが記載されています。最終的には、既存のパブリッククラウドをGCPに移行して、このような構成図でまとめることができます。
最後の経営陣のメッセージでは、現在の課題とGCPで実現したいことが記載されています。最終的には、既存のパブリッククラウドをGCPに移行して、このような構成図でまとめることができます。
おまけ
公式のドキュメントにデータ処理・分析のアーキテクチャが記載されています。
今回のケーススタディとあわせるとこのようになります。
サービス間のつながりを詳細に確認したい方は公式ドキュメントも確認してみて下さい。
まとめ:ケーススタディを把握して、合格を掴もう!
今回はGCP Professional Cloud Architect認定資格のケーススタディの回答例【Helicopter Racing League】
本番試験では、ケーススタディの内容を表示することができるため覚える必要はありませんが、内容を理解しておくと、スムーズに適切なサービスを選択することができるようになりますよ。
本記事がGCP Professional Cloud Architect認定資格を受講する方の参考になれば嬉しいです。
それでは、これからも一緒に学んで、自己価値を高めていきましょう~!
最後まで、お読み頂きありがとうございました!
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